長野県、安曇野市。松本から長野自動車道を走っていると、突如として遠くから浮かび上がる隆々しい山脈が視界に入る。日本の田園風景によくある景色だと思われるかもしれないが、安曇野は特別だ。なぜなら、自然の美しさと住みやすさが調和されているからだ。
安曇野の名前に見覚えないのない人からすると、その独特な呼び名に戸惑うかもしれない。今は水源豊かな町として知られるが、かつては水不足に悩み、作物が全く育たない地域だったのは、ほとんど知られていない。言い伝えによれば、博多から海の神様「あまつみ」をこの地に呼び寄せ、この地に棲みついたことから安曇野という名前になったそう。一見読みづらい地名には、今の安曇野の起源となる物語があったのだ。
都心からのアクセス
安曇野市は長野県のほぼ中央に位置している。都内から車で渋滞がなくても約4時間。お隣の松本市駅まで新宿駅から「特急あずさ」に乗って約2時間50分。安曇野市から車で1.5時間ほどの長野駅までは、東京駅から北陸新幹線で約2時間40分。名古屋からは「特急しなの」利用で約2時間15分と、月4往復までであれば都心から気軽に通える距離感だ。
どう住む?
安曇野は大きく「田園エリア」と言われる山から少し離れた平地と、北アルプスの裾野に位置する「山麓エリア」の二つに分かれる。

生活圏に近いところで便利なのが「田園エリア」だ。スーパーマーケット、学校、各種チェーン店が集まっている、まさに生活の中心地。都心と引けを取らない便利さがありながら、それでいて自然と距離が近いのが特徴だ。例えば、スーパーツルヤ(品揃えの多さで有名なローカルスーパー)から一歩外に出るだけで、壮大な夕景を拝めるのも、山々に囲まれた安曇野ならではの特典。日常的に北アルプスの山脈に見守られる生活を送りたい人にとっては理想でしかないだろう。

一方、「山麓エリア」は温泉地が点在し、セカンドハウスを求める人々に人気のエリアである。ここには長野県塩尻市から安曇野を結ぶ全長30kmの山麓線という観光ルートが存在する。山麓線をしばらく走っていると、アートギャラリーや工房、カフェ、ショップの看板が立ちならび、他の地域と比べて密集度は高く、安曇野がアートの街と言われるルーツをここに感じる。市街地まで車で約20分。都心で疲れた心身に安らぎを与え、静かな自然環境を求める人にとって新たな生活のスタートを切るには最適なエリアであろう。
なにする?自然アクティビティ
春から夏へと季節が移り変わると、安曇野は渓流釣りの愛好家たちの聖地と化する。車を停めて川を下ると山頂から溶け出しきた雪が麓に流れ着き、その透き通った水面の下で淡水魚が生き生きと泳ぐ様子が目に入る。安曇野の豊かな水は、常念山脈から湧き出る伏流水と、山々を水源とする清流が合わさり形成される。私たちが日常的に口にする水が、実は安曇野からくることがしばしばある。少しずつ暑さを感じるこの頃に、涼しい渓流で景色を眺めながらのんびり釣りするのは気持ちいい。
秋は安曇野が最もうつくしく(筆者調べ)、活気に満ちている季節である。色とりどりの紅葉が山々を覆い、青空がその鮮やかさを一層引き立てる。この時期に差し掛かるといよいよ登山とハイキングシーズン。長峰山(ながみねやま)は山頂まで車でアクセスができる、初心者にもやさしいハイキングスポットで、山頂から見下ろす安曇野の街並みと北アルプス山脈は息をのむほどである。絶景を楽しみながら、自然と一体となる感覚は、まさに心地よい時間を過ごすための最高の一時だとあらためて感じるだろう。
冬になると安曇野は一面雪で覆われる、と思いきや近年温暖化の影響か、膝まで積もることがほとんどなくなった。安曇野でゆっくり冬を過ごすのもありだが、車ですこし北上すると、世界的に有名な白馬のパウダースノーが待っている。白銀の世界へわずか1時間でアクセスできる安曇野は、誰もが羨む環境であろう。
まずは一度訪れてみるのがおすすめ
何度でも訪れたくなる風景と、うつくしい空気が広がる安曇野。二拠点生活、移住を検討しているなら、まずは一度訪れてみることをおすすめする。百景不動産がセレクトする、訪れてよかった場所は以下だ。
ティータイム GARNI
朝9時から営業している朝食が絶品のカフェ。学者村という別荘地の一角に静かに佇む一軒家を改装して営んでいる。オーナーお手製の料理が出てくるまでの間、置いてある本を読んだり窓から森林の景色を眺めて過ごすのがおすすめ。
美術館ギャラリー IIDA-KAN
入館料無料。気軽に立ち寄れる美術館。天気がいい日は館内から安曇野の田園エリアを一望できる。
MIGRANT
旅に少し疲れたなと感じた時に立ち寄りたい、地域の溜まり場。
建築設計事務所でありながら、移住やIターンUターンしてきた人々の心の拠り所になっている。安曇野の山々を眺めながらリモートワークするもよし、カフェ利用だったり漫画を読みながらダラダラと畳の部屋で寝転ぶのもよし。ほっと息をつく場所。
松本民藝
少し足を伸ばして、松本まで車で20分。いつの時代も色褪せない美しさ、生活用具として長年の使用にも耐える<松本民芸家具>を作る工房兼販売店。家具に興味がない人でも、街歩きを楽しめる中町通りは筆者おすすめ。
もっと知る
安曇野での暮らし・仕事・地域と子育てについて(移住補助金の情報あり)
安曇野へ移住!公式サイト
電動自転車で巡る安曇野の旅
長野県公式観光サイト